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目標管理でエネルギー管理
第1回 エネルギー管理指標導入の現状

最新の研究によって目標設定がエネルギー管理の成功の鍵を握っていることが明らかになっています。

目標設定でエネルギー管理

世界中でエネルギー使用量の削減目標を設定する企業・団体が増えています。 ジョンソンコントロールズインスティテュート(Johnson Controls Institute for Building Efficiency)の「ビルのエネルギー効率に関する調査」の結果、商業・工業分野企業や各種団体において、エネルギー使用量と二酸化炭素量の削減目標を設定した組織の比率が明らかに増加していることがわかりました。2011年平均値は58%、2012年は71%であったのに対し、2013年は73%の組織がエネルギー削減目標を設定していたことが確認できました。*1

この傾向は世界共通に見られます。2013年のこの調査では、調査をした全ての国において、意思決定権をもつ人の大半が、エネルギー管理は組織にとってかなり、あるいは非常に重要だと考えています。特に、オーストラリアで71%、インドで93%と高い数値でした。調査ではまた、世界中でエネルギー効率への注目度が年々高まっており、注目度が増したと回答した企業・団体は2012年より10%増えていることがわかっています。特に中国では急増しました。

世界中でエネルギー管理への注目度が増しているのはなぜでしょう。

デロイトのエネルギーソリューションセンターが行った2013年の調査では、動機に変化があったことが示されています。この調査によると、エネルギー管理の主な理由として回答者の63%が「経費削減」と答えています。続いて49%が「内部的な動機」をあげ、43%は「単にそうすべきだから」と答えています。しかし、このような回答の割合は2012年の調査と比べると低下しており、一方で「規制への対応」を理由としてあげた回答が3分の1以上(36%)を占め、昨年の32%、2011年の24%から増加傾向にあります。*2

エネルギー管理の取り組みの理由が何であれ、調査をした組織の3分の2がエネルギー管理を何らかの公式なプログラムとして運用しはじめています。ジョンソンコントロールズのビル効率小委員会で2013年に行った「ビル運営と保守」に関する調査では、大多数がエネルギー支出の削減に「関心がある」、または、「非常に関心がある」ということがわかりました。

 

エネルギー管理指標導入の現状

エネルギー管理への注目は今後も高まると思われますが、ジョンソンコントロールズが調査をした組織では、公式ではない、または、適切な計測方法が実施されていない組織が30%にものぼりました。世界中で規制が増加する中で、(実態には反映されていませんが)正式な手続きを踏んだ計測や検証の重要性が増しています。 

「ビルのエネルギー効率に関する調査」では、公式な目標を設定していない組織に関しては、エネルギー効率向上の取り組みを進めるにあたっての最大の問題は資金のようです。ただし業界によって問題は異なります。成果を評価する技術的な能力も大きな障害となっています。 業界のリーダーは各組織がこれらの問題を乗り越えるのを支援する義務があります。ジョンソンコントロールズやその他の団体の調査からは、ある重大な相関が浮かび上がりました。それは、目標設定とエネルギー管理の成功には関連性があるということです。調査では公式なエネルギー使用量の削減目標を設定することが、組織が目標達成をする上で以下の3点について有効であるという結論に達しています。

1 公式な目標を設定することで、投資に対するリターンを計算することができる。
2 公式なエネルギー管理の目標を設定する組織は、より行動に起こしやすい。
3 エネルギー効率の目標を達成することは競争上の優位性を生み出す。

次回以降で各項目について解説します。

*1 ジョンソンコントロールズインスティテュート 参照
*2 エネルギーソリューションのデロイトセンター、デロイト リソース2013年研究 ザ・パワーシフト:企業のエネルギー戦略の見直し 参照