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目標管理でエネルギー管理
第2回 目標設定の有効性

最新の研究によって目標設定がエネルギー管理の成功の鍵を握っていることが明らかになっています。今回は、調査で明らかになった目標設定の有効性について具体的に解説します。

①公式な目標を設定することで、投資に対するリターンを計算することができる

投資をした場合には、それに対するリターンを検証しエネルギー管理の価値を証明しなければならないという大きなプレッシャーがあります。ジョンソンコントロールズの「ビル運営と保守」に関する調査ではプログラムのコストが高ければ高いほど、計画的な計測と検証への期待も高いことがわかっています。

技術の進歩によりエネルギー効率向上の方法を特定し、エネルギー消費削減を立証するのに必要なデータは簡単に手に入るようになりました。残念なのは意思決定権を持った人がそのようなデータの海に溺れてしまっていることです。 この10年間で、個々の機器からビル管理システム、あるいはさまざまなビルを含むポートフォリオにいたるまで、そのエネルギー消費データの種類や詳細、さらに最も重要な「データの量」に大きな変化がありました。データの氾濫は分析の麻痺状態につながることもあります。 2013年の「ビルのエネルギー効率に関する調査」では、3分の1近くの組織が、意思決定者は四半期ごとかそれ以下の頻度でデータの分析をしていることがわかっています。このことは、実際のところエネルギー分析はその他のマネジメント事項より優先度が低い可能性があることを示しています。 

実は、施設管理の専門家がデータを分析する時間やツール、技能をもち合わせていなくても、進化したソフトウェアは、信頼できる高度な分析結果を自動的に先回りして提示してくれます。業界のベストプラクティスがソフトウェアには組み込まれています。最新のツールはさらに情報を理解しやすく、有意義に関連性をもって示してくれます。

例えば: 

分かりやすいデータ解釈:データを図式化しコンテキストと関連性を示し、情報に基づいた意思決定を容易にします。画像、図面、色、地図などにより利用者が情報を理解しやすくし、時間、距離、スピード、方向、順番、重要性など、効果と傾向の情報を明確に伝えます。 

優先度の表示:不具合検知機能がより高度になるにつれ、ビルシステムのデータ量は極端に多くなります。現在の最上位層のソフトウェアは問題点を検出し、それらに優先順位をつけることができます。それにより意思決定者にとってはどこを改善することが最も効果があるか一目瞭然となります。

 • 金額提示:最も高度な計測と検証ツールは問題点を特定し優先順位をつけるだけでなく、その不具合の実際のコストを計算し、施設管理専門家に投資のリターンを金額で示します。

 高度になった現在のエネルギー管理のツールは、その一方で利用者に優しい仕様になっており、施設管理者が以前より簡単に改善するべき部分を特定し、 対策の優先順位をつけ、進歩を記録し、自信をもって結果を報告できるよう支援します。

 

②公式なエネルギー管理の目標を設定する組織は、より行動に起こしやすい








2013年の「ビルのエネルギー効率に関する調査」は組織の目標とその対策に直接的な関係があることを報告しています。調査では目標のない組織、内部で伝達された目標のある組織、公に表明した目標のある組織によってとられた対策を比較しています。 調査では、目標が内部で伝達された目標であるか公に表明された目標であるかに関わらず、目標設定をしている組織に次の傾向があることが明らかになっています。

 • エネルギー効率や再生可能エネルギーにより多くの投資:

公式目標のある組織の95%は過去12ヶ月間にエネルギー効率や再生可能エネルギーに投資しています。目標設定をしていない組織ではこの割合は55%に留まります。

 

• エネルギー効率指標の導入:

過去12ヶ月間でより多くのエネルギー効率目標(指標)を導入しています。


 • 増資を計画:

72%の組織が今後12ヶ月間でエネルギー効率や再生可能エネルギーへの投資を増加する計画があります。目標設定のない組織ではこの割合は26%に留まります。 


• エネルギーマネジメントの実践:

エネルギー効率の標準づくりや、エネルギープロジェクトを実施する行動計画づくりを含む様々な指標において優れています。 


次の最終回では、エネルギー効率の目標達成と競争優位性について説明します。