AIを活用した不具合検知(FDD)システムの開発の裏側をご紹介!

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7月10日に、ジョンソンコントロールズでは、マイクロソフトのクラウドプラットフォームMicrosoft Azure の機械学習機能であるMicrosoft Azure Machine Learning(以下Azure ML)を活用したFDD(不具合検知:Fault detection & diagnosis)システムを開発したことを発表しました。今回、本プロジェクトを主導されたソリューション開発本部 地田清和さんに開発の背景や製品の特長についてお伺いします。

Q. 7月10日にAzure MLを活用したFDDシステムが発表されました。この開発の背景について教えてください。

A. ジョンソンコントロールズ日本法人 ソリューション開発本部では、米国本社で開発された最新機器やシステムをベースに最先端のICT技術を積極的に取り入れ、日本市場向けにローカライズすることで新たな価値の付加と、国内の建設業界の課題である人手不足や技術継承にアプローチするようなシステムやソリューションを市場に提供し、お客様の本業での成功をサポートしたいと考えています。このような開発方針の中で、これまで定期保守サービスが限定的であったVAV(可変風量)空調システムの保守点検について先端技術を活用することでお客様に大きなメリットが提供できるだけでなく業界の課題にもアプローチできると確信し開発に着手しました。

VAV空調システムは、故障や不具合が発生すると居住者の快適性や省エネルギー性能に大きく影響を及ぼす重要なシステムですが、通常天井裏などに設置されており、大規模ビルでは、設置台数は数百を超えます。さらに、複数のVAVユニットおよび冷温風の供給元の空調機の制御が連動して動作する複雑なシステムの保守点検には熟練した技術力が必要です。これまでは、専門の技術者が稼働中のオフィスビルの天井裏に実際に入り膨大な数のVAV空調システムを直に確認するなどの方法がとられていました。しかし、これらの点検では、空調稼働中に執務エリアに立ち入る必要が生じ、かつ点検時以外の状況の確認ができないなどの課題をもっていました。今回開発前の調査で、Azure MLを活用し、収集・蓄積したVAV空調システムの稼動データと当社の保守経験と制御ロジックから求めた複雑に連動する複数データの相関関係分布を教師データとして機械学習させると、故障原因は自動的に31種類に分類することが可能であることが分かりました。そこで、この仕組みを採用したFDDシステムを開発することとなったのです。これが実現すれば、これまで不可能だった連続した稼動データに基づく保守点検が可能となり、現地点検の不便さや技術者不足を解決しながらも不具合の発生傾向や異状をより正確にそして速く検知できるので、さらにきめ細やかなサービスが提供できると確信しました。

Q. 今回発表されたシステムにはどのような特長がありますか? 

A. Azure MLはWindowsプラットフォームとの親和性が高く、当社で所有する資産を活用しやすいことや、開発者の使い心地に配慮されたフレキシブルな仕様や強力なデータと人工知能サービスを使用しているという特長があり、Fortune500の90パーセントの企業が活用しているという信頼性の高さから採用を決めました。今回のソフトは、1ヵ月、半年などの一定期間のVAV空調システムの稼動データをクラウドに保存し、Azure MLがそのビッグデータを解析し稼働状況を診断します。すると、異状の可能性が連続的に検知できるため、室内の快適環境を損なうような深刻な動作不良に陥る前に対策をとることが可能となり、居住者やテナントの満足度向上に貢献します。さらに、現場での大掛かりな保守点検作業を効率化することで、人手不足や技術継承の課題にアプローチしつつも、技術者の技量に依存しない高品質できめ細かい保守サービスが提供できるようになります。


Q. 開発の時に苦労したお話などがあれば教えてください。

A. 今回は、Azure MLを利用していますが、こういったテクノロジーは日々驚異的な速度で進歩しています。開発者としてはIT技術の発展速度に追従できるよう、自ら学び最新のトレンドを取り入れていくことを意識しました。
2017年5月に立ち上がったデータソリューションビジネスチームには現在グローバルで470名のエンジニアが在籍し、組織をあげてAIやIoTといった先端技術を活用したソリューションの開発に取り組んでいます。本ソフトウェアは世界に先行して日本で開発を進めたもので、社内からの期待も高く、絶対に成功させたいという強い思いでプロジェクトを進めてきました。

Q. 
開発責任者として、今後のサービス展開に対する想いや意気込みについて教えてください。

A. すべての情報がインターネットで繋がることに不安をお持ちのお客様もいらっしゃるかと思いますが、今回のAzure MLのように、世の中にはうまく活用することで皆様のビジネスを成功へと導くテクノロジーがたくさんあります。当社ではサイバーセキュリティに関する知見も深く、高いセキュリティ体制を整えておりますので、安心してご利用いただける環境が整っています。また、当社の旗艦システムであるMetasys®ビルオートメーションシステムは世界で10万件以上の導入実績を誇り、業界をリードしてきました。ビルオートメーションシステムのコンセプトはIoT技術そのものということができ、当社は創業当時から最先端技術を活用することで皆様の暮らしを快適にするお手伝いをしています。建物の様々なシステムがインターネットでつながり、スマートビル・スマートシティへと進化することで、世の中が安全で快適かつ持続可能な世界へと進化していく事を願いつつ、今後もお客様のビジネスの成功を実現するような製品・サービスの開発を進めて参ります。

 

 

 

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